OCTの授業内容をもっと知りたい!
というみなさんのために、
先輩たちのノートをちょっとだけ見せてもらいました。
先生による授業のポイント&ノートへのつっこみも掲載。
シラバスだけじゃ伝わらない、
学びの勘どころを直伝します!
空谷秋時さん、玉正昌也さん、中山敬太さん、南園健太さんの
「建築技能実習」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
階段の頂点の高さ、長さ、傾斜から踏板の位置を計算し、均等に配置されるよう図面を引いています。「トイレと階段を設計できたら一人前」なんて名言があるくらい、設計の段階が難しいんですよ。
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CHECK POINT 2
滑り台の上部にあたる角材の線を、最後まで引ききっていませんね。実は遊具を組み上げたとき、これが原因で滑り台の高さがずれてしまうという事件がありました。細部の正確さは全体に影響します!
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CHECK POINT 3
階段を固定する方法について親方から朱書きが入っていますね。目につかない階段の裏に穴を開け、長いボルトを通して階段を完全に固定。施工跡が見えないように工夫し、頑丈かつ美しく仕上げる職人の技を見ることができます!
1年次 | 前期後期 | 2年次 | 前期後期 |
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親方から学ぶ
本物の技術と仕事力
実際の現場で活躍する親方や大工技能に詳しい教員から知識・技術を学ぶ授業。差し金をつかった墨付けや土台の仮組、左官といった現場で必要とされる基礎的な技術から、卒業制作として和室や休憩所などの設計、施工までを行い、実務を視野に入れた授業を行っています。
社会人基礎力
王釧坤さん、詫間幸広さん、矢頭駿さん、吉田旭良さんの
「製作実習Ⅱ」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
災害現場には瓦礫や段差が多く、平面を走行するような設計では、機体の底面が引っかかて止まってしまいます。そこでこのチームは、補助のクローラー(キャタピラ)2対を使い、底面を浮かせようと考えたようですね。断面図を描いて検討していますね。
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CHECK POINT 2
こちらはサブクローラーを動かす機構のスケッチですね。上下に動く仕様は設計も難しく、取付位置も単純ではないので苦戦していました。試行錯誤の末、最終的には、ベルトから歯車を使う機構へと転換して解決。粘り強さが生きましたね!
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CHECK POINT 3
必要な部品の洗い出したメモですね。このチームは、坂道やデコボコ道でも走行できるよう、2種のベルトを使って製作したようです。材料調達はもちろん、購入のための予算管理やスケジュールまで学生たち主体で行います。まさに実践型授業ですね。
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部品の加工から製作まで
1年かけてチームでつくる
1年生から学んできた知識・技能を応用して、臨む卒業製作の授業です。4人~7人のチームを組み、アイデア出しから設計、加工、測定はもちろん、予算や進行管理まで学生主導で行います。現場で働くことを想定した、自主性を育むプログラムです。
問題解決能力
木本朱理さんの
「建築設計製図」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
上部は「建築設計(プランニング)」ですね。ここでは2階の各諸室の大きさを検討しています。家族構成に沿って必要諸室を洗い出し、大まかな広さを割り出します。この段階では、精密に書き込まないよう注意しましょう!
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CHECK POINT 2
さらに具体化した2階平面図。2マス分で1畳です。全体を見ると、何度か下書きを直していますよね。5時間の試験時間のうち、下書き完成は1時間半が理想。一度書いたプランを消さずに進めていくのも時短のコツです。
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CHECK POINT 3
これは梁の位置を検討する構造伏図です。色分けにも意味があり、青は壁に入る梁、ピンクはその壁の梁をつなぐ梁、斜めに入った緑は火打梁と言って、建物の捻れを防ぐ梁。わかりやすく色分けし、ミスを防いでいます。
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設計製図を集中的に特訓し、
製図力、作図時間の短縮を目指す
毎年7月下旬から9月上旬までの約2ヶ月間、集中して行う授業です。夏期研修では、図面の基礎や平面図、立面図、断面図などを理解。その後、図面の作成演習、計画講義、作図時間短縮特訓などを行い、建築士専科生全員を合格へと導きます。
設計製図試験の突破力
堰清花さんの
「建築積算」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
これは階段の構造を表した図ですね。オレンジ色がは基盤となる配力筋、青色が階段を形づくる段筋です。段筋は、段差の凸部分の上端筋、凹部分の下端筋、それをジグザグにつなぐイナズマ筋と3つの鉄筋で構成されています。
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CHECK POINT 2
階数によって、柱に入る鉄筋の数が変わるって知ってましたか? メモにもあるように、1階では上階の重みも含めて支えるため、より多くの鉄筋を入れる必要があるんです。上階になるほど荷重は減り、鉄筋の数も少なくなります。
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CHECK POINT 3
大きな建物の場合は、鉄筋を現場でつなぎます。「重ね継手」は2本の鉄筋を少し重ねて接合する方法で、ほかにも断面を溶接する「ガス圧接」も。継ぎ方により調達する長さも変わるため、積算では手法にも考慮が必要です。
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建築物の実現に不可欠な
予算確立の手法を学ぶ
建築積算に必要な数量、金額を算出する能力を身につける授業です。建築物の実現は予算の確立なしには不可能で、実社会でもコストに対する関心も高くなっています。この授業では、土工・地業から鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造、仕上げ工事まで積算の手法を学びます。
問題解決力
間藤佑介さんの
「空気調和設備特論Ⅰ」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
空気齢とは「室内に空気が入ってから、出て行くまでの時間」を表す言葉です。空気の滞留時間が長いほど、空気は澱んでいきます。また空気齢は、高い/低いで表現します。人の年齢と同じだと思うと、覚えやすいかなと思います!
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CHECK POINT 2
大型商業施設などで、天井から垂れ下がった透明のガラス製の壁に見覚えはありませんか? このスケッチに描かれているのが、その「防煙垂れ壁」です。火災時に煙が広がるのを防ぎ、避難をスムーズするという役割があります。
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CHECK POINT 3
屋内消火栓のしくみを示した図です。いつでも消火栓が使えるのは、屋上の補助水槽と地下の消火ポンプが配管でつながれているから。補助水槽から常時水が供給され、消火ポンプで押し出されます。授業では設備見学もありますよ。
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生活になくてはならない
空気調和設備の基礎を身につける
より良い生活環境はもちろん、電子精密機器産業バイオテクノロジー産業にはなくてはならない空気調和設備についての基礎を学ぶ授業です。空気の性質から空気線図の見方、空気調和設備の不可計算など、図解を用いた座学や現場の見学を通して、建築設計の基礎を身につけます。
持続力
行動力
(旧設備環境デザイン学科)
杉野仁栄さんの
「設計製図Ⅰ」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
その場で感じた匂いや音などの主観的なメモが残されています。日本を代表する建築家・安藤忠雄さんの「建築は体験だ!」という言葉もありますが、空間を考えるとき、人の感情や心地よさにも目を向けることがとても大切です。
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CHECK POINT 2
自らの心象風景を描く課題ですが、ところどころに椅子の幅や高さ、窓の幅など寸法が書き込まれています。ここから、杉野さんが体感と分析の両方を大事にしながら、スケールを意識して日常を過ごしていることが読み取れますね。
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CHECK POINT 3
自分を含めて描くことがこの課題の条件ですが、環境との関係性が伝わらない作品も少なくありません。でも、このスケッチからは、電車や窓辺、川べりなど、自分がその場にいることを想像しながら描けているように思います。
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自らの興味を掘り下げて、
将来ヴィジョンを描いていく
全学科共通の授業です。インテリアデザイン学科では、学びの定着はもちろん、さらに発展させていくためのカリキュラムを構築しています。さまざまな課題を通して、自らの興味関心を掘り下げることで、自分ごとからはじめる空間の設計と同時に、進路イメージを描いていきます。
問題解決力
プレゼンテーション力
木村智子さんの
「卒業制作」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
建築設計においては、他者の視点に立って考えることがとても重要です。「注意して視ること」という言葉から、自らのセンスに固執することなく、他者の立場で物事を考えることを心がけようしている様子が伝わってきますね。
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CHECK POINT 2
さきほどと同く、今度は「聴くこと」についてのメモです。「傾聴」という言葉があるように、設計を進める上では、他者の考えに耳を傾けること、また相手の言葉の裏側にある意図や本意を丁寧に分析することも求められます。
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CHECK POINT 3
人の視線や声が、空間に対してどのように作用するのかを描いた断面スケッチですね。頭の中でわかっていることも、実際に現場で体感し、図で描いてみるという行為を通して、新たな気づきを得ようと試みる姿勢が伝わってきます。
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2年間の総決算として
これからの建築を模索する
これまで学んできた建築に関するあらゆる知識を含め、自己の建築的指向を反映して制作する、学校での総決算としての授業です。建築のもつ社会性、計画性、審美性、図面表現などを、高度なレベルで作品化することで、将来の建築を模索する上での一里塚となることを目指します。
編集力
プレゼン力
中川朋子さんの
「建築材料学Ⅰ」
のノート
チェックするのは…
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CHECK POINT 1
この図は鉄筋に加わる力の量とひずみの関係性を示した「応力ひずみ図」です。図を見ると、一定の応力値まではひずみは増加していきますが、弾性域を越えて破壊点に達した途端に、ポキンと折れてしまうことが読み取れます。
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CHECK POINT 2
こちらはコンクリートと木材の「応力ひずみ図」です。さきほどとは全然違いますよね。2つの素材は曲線を描きますが、コンクリートは少しずつひび割れていくため数値が不明確で、最大の強さの3分の1を弾性域ととらえます。
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CHECK POINT 3
壁から飛び出た材料に力を加えたときの図です。これまでの図に基づいて考えると、下部に圧縮に強いコンクリート、また上部に引張力のある鉄筋を使うことで、それぞれの性質を生かした強度ある建築ができることがわかります。
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建築材料の性質を理解し
現場での基礎知識を身につける
主要三大建築材料を中心に、材料の性質について学ぶ授業です。前半では現代建築において重要な材料であるコンクリートについて、また後半では同じく主要材料の鋼材を中心について、また適切な廃材処理方法、施工時の地球環境への配慮まで、現場での基礎知識を習得します。
継続力