第3回「特別講義」が実施されました。今回は「工務店で働いています」と題して、工務店で働くこと。工務店とは?など、働き方やその仕事や環境、そして業界の現実を知ってもらうことがテーマでした。また、今回の講師の先生は女性であることもあり、女性の建築業界での働き方についても興味深いお話を聞くことができました。
今年度第3回「特別講義」は、
株式会社 伊藤嘉材木店の秋山美苗先生に講義をお願いしました。
秋山先生は大学卒業後、設計事務所に勤務。そこでデザインの意味や、自分の建築への関わり方を見つめなおすようになり、3年後、当時施工でつながりのあった、伊藤嘉材木店に転職されました。秋山先生の学生時代から現在に至るまでのお話から、いったい自分は建築のなにに興味を持っているのか、その興味を生かせるキャリア形成について考える機会になったのではないかと思います。
学生にとって、工務店がいったいどういう仕事をするのか。どんな人がどのように働いているのかということは、なかなか学校の授業だけでは分かりません。
ですが、今回の秋山さんのお話で、工務店で働くイメージ、チームワークの大切さ、コミュニケーションの大事さがわかったのではないでしょうか。
特に今回は、女性の講師の方であったこともあり、とかく男性社会に思われがちな建築業界の中で女性としてできること、女性だからこそできることなど、女子学生にとってとても気になる興味深いお話を聞くことができたと思います。
とにかく、秋山さんの凛とした立ち振る舞いに魅了された学生も多かったのではないかと思います。
講演後の懇親会でも、女子学生の積極的な交流が見受けられました。
今回の秋山さんのお話の中で印象に残った言葉があります。「本物の仕事をしていきたい」という秋山さんの思いです。建築は刹那的なものではなく、長く残るものでなければならない。そのためには「本物」であることが大事だと秋山さんは言います。また、本物の仕事をするために必要なのは、「先人の知恵から学び、新しい可能性を探り、柔軟であること。対応力があること。チームワークを活かすこと。」だとおっしゃいました。
また、私が秋山さんのお話を聞いて感じたことは、秋山さんが人をひきつける魅力がある方であり、自分の周りの環境を自分でどんどん作り上げておられる。それは、決して秋山さんの生まれもった魅力だけではなく、やはり、受身にならないこと、積極的に人に関わる姿勢から周りが自然に影響され、いい環境が出来上がっていくのではないかということでした。
建築業界は、人との関わりの中で成り立っています。自分一人では何もできません。ですので、学生のみなさんも、コミュニケーションを恐れず、どんどん積極的に人に関わりながらいろいろなことを吸収し、生み出す力をつけていって欲しいと思います。
その先に「本物の仕事」ができる環境と能力が生まれてくるのだと思います。
(文責 岸上)