2021年3月3日に国立京都近代美術館にて開催されていた「分離派建築会100年展」の観覧を皮切りに、
ロームシアター京都→TIMES→先斗町→河井寛次郎記念館→京都駅と中身の濃い学外実習を行ってきました!
分離派建築会100年展を観覧しに行く!という主旨から始まった今回の学外実習ですが、事前に分離派について調べておき、観覧して、振り返るという作業を経て学生の皆さんはいろいろなことを学べたようで、今後のコース課題への取り組み方にも大きく影響を及ぼすであろうと感じてなりません。
何より、「これくらい」や「なんとなく」や「そこまでは・・・・」が横行?している社会状況において、分離派のメンバーが学生時代に立ち上げた活動であること、
それを「卒業設計」で熱く表現していたこと、その後も「これからの建築はこうあるべきだ」と自分たちと同年代の学生が社会に向けて発信していたことは、
現代を生きる意匠コースの学生にもおおいに刺激になったようです。
その後は、近代建築の現代への活用方法をしるべくロームシアター京都を見学。
ここでは改修前には、保存含めた改修の是非を問う運動があったこと、前川国男の位置づけや、近代建築の大半が置かれている、現代のニーズに沿えていない状況から保存するだけではなく、活用できる改修の大切さや難しさをコース全体で話せたことは貴重な時間でした。
次に向かったのは、建築士・安藤忠雄さん設計の「TIMES」へ。
残念ながらなんらかの理由で立入禁止となっており、外部からの見学となりました。
そして今回のもう一つの目的地は河井寛次郎記念館。
意匠コースでは今年度より新たに「記念館の企画・設計」という課題に取り組むにあたり、河井寛次郎記念館は外せないであろうということで、見学へ。
学生からは「なぜか落ち着くし、居心地が良い」や「展示されている、日用品に触れたり実際に座れるというのは凄いこと!!」など鋭い観察も見られました。
河井寛次郎記念館は、民芸運動の中心人物であった河井寛次郎のに関連する品々を通じて、河井寛次郎の思想を後世に伝えていく為の記念館であるが、学生はまさに「工芸品ではなく、民芸であり、日常に使われている日用品の用の美こそ大切なのだということを肌で感じ取ってくれたのではないかと思います。
この日は分離派のメンバーの熱い志に触れ、京都の町並みを散策し、民芸運動に触れ、最後の目的地である、京都の玄関口となる京都駅へ。
ここでは、圧倒的スケールで迫ってくるコンコースや大階段、あらゆるビルディングタイプを包括しつつうまく処理していることなどをレクチャー。
最後に今回後輩を激励するために参加してくれたコースのOB三名にお礼を告げて解散。
なかなか濃い一日となりました。
2021年度意匠コースはこの社会状況の中ではありますが、できる限り学内の学びだけで満足せずに、外部との接続をできる限り設けて、できる限り学生へ様々な「ハシゴ」を掛けていくことを考えています。