「建築系のインテリアデザインってなんですか?」とオープンキャンパスで来校した方々に質問されることがあります。
これってすごく当たり前なことですが、
インテリアをデザインするならば、建築全体のことも知っておかなければなりません。
さてさて、どういうことか???
例えば、築年数の経った木造の2階建住宅があったとします。
これを中古で購入した若い夫婦が「壁を減らして広々としたリビングをつくりたい!」と要望したとするとどうしますか?
いきなり壁を無くしてしまいますか?邪魔な柱を取り除いてしまいますか?
答えはNGですね。
先ずはそのようなことが可能かどうか、
建物の骨組(構造)や法律などからもしっかりと検討しなければなりません。
だからOCTのインテリアデザイン学科では建物に関する基礎もしっかりと学んでもらいます。
要するに、お化粧を施すように飾り立てることだけがインテリアデザインではないのです。
そしてもう一つ、大切にしていることがあります。
それは「顔が見える空間デザイン」という考え方。
1年生後期課題に「すまいの設計」というものがあります。
一軒の戸建住宅を設計するのですが、この制作プロセスそのものが「顔が見える空間デザイン」です。
下の写真を見ていただけるとわかりやすいと思います。
いきなり敷地の図面にテーブルやイス、人物の模型を置いています。
そして考えます。「食事をしている向こう側にどんな庭があるといいか?」「その場の広さは?」
「囲われ方は?」「天井は高い?」などなど・・・。
これって子供の頃に砂場なんかでやっていた「ままごと」に近いですね?
ここが「顔が見える」ということです。
言い換えれば「ストーリーや活動を思い描きながら計画する」ということです。
さて、いよいよ後期がスタートします。
そして「すまいの設計」がスタートします。
童心に返り、しっかりと「ごっこ」しながらストーリーを描きつつ、
魅力的なすまいを設計してもらいたいですね。