建築系学科共通の科目「設計製図Ⅰ」からの授業レポートです。
この科目は建築系学科共通ですが、
学科の特徴を活かしながら最終課題の「すまいの設計」に取り組んでいます。
インテリアデザイン学科では「空間デザイン」という考えから、
外観からデザインを考えるのではなく、内部からデザインを考えていきます。
敷地のまん中にテーブルとイスを置き、そこがどのように囲われているのか。
そこではどんな活動が発生するのかなど、
生活の中での出来事を丁寧に繋ぎ合せながらデザインを考えました。
そうすることで、住い手の顔がはっきりとイメージできる住まいが浮かび上がるのです。
また、インテリアデザイン学科では、
その空間を構成する床や壁、天井、家具や照明器具など
インテリアコーディネートも要求することからたっぷりと時間を使います。
全13週、行ったり来たり、進んだと思えば、戻ったりと、
じっくりと腰を据えて取り組むことができたのではないでしょうか。
先ずは、イメージ模型をダンボールでつくりながら、計画の方向性を発見します。そしてシートにまとめて発表です。
方向性が見え始めたら、再び模型を中心にエスキス作業(検討作業)を繰り返します。
部屋と部屋、庭とのつながりや、壁、窓の位置。そして家具の配置など・・・。
とにかく模型をつくっては壊し、つくっては壊しの連続です。
我々教員もカッターナイフ片手にエスキスチェックです。
話をしながら容赦なく模型をバリバリと・・・。
そこに自分では気づかない新たな発見があります。壊さないと気付かないのです。
ようやくまとまりつつあるタイミングで「一旦、図面化作業」を行います。
平面図、断面図、立面図の作図から、
面積表、容積率や建ぺい率と、建築基準法のチェックなども。
このように、何度もチェックを繰り返すことでようやく1つのすまいのカタチが浮かび上がってきます。
それと、模型をつくりこむことで「考えていない部分」も無くなります。
ということは「ごまかすこと」もできないとも言えますね。ということで、必死で模型の精度を上げて行きます。
そしていよいよプレゼンボードの作製です。
模型や図面だけではなく、何を考えて制作したのか「設計主旨」を作文したり、
部分的にスケッチを描いたり、このすまいのタイトルを考えてみたり。
そして内装イメージ、インテリアコーディネートボードも。
つくった作品はクラスのメンバーで見せあいながら共有です。
気になる作品を選び、付箋にコメントを書いて貼りつけます。
共に励んだメンバーからのコメントは響きますね。
最後はお約束の「発表」です。作品を使い自分の言葉で発表します。
時間は3分間です。入学して間もない頃はこの3分が長いのですが、
ここまで成長すると3分では足りません。いかに手短に、要約して伝えるかがポイントです。
そのためには発表内容の綿密な準備が必要です。
ということで長かった「すまいの設計」も無事に終えることができました。
この課題を通じ、自分自身の興味を発見し、
その先の進路活動につながるきっかけにもなったのではないかと感じます。
また、この作品は進路活動の際の「ポートフォリオ(作品集)」の中心になる作品でもあります。
よって、課題としては終わりましたが、この先もこの課題を使い続けて欲しいと思います。