ゴールデンウィーク前の4月26日(金)に
フィンランドの建設産業教育センターRATEKO(ラテコ) の
教育機関の校長、教員、スタッフ合わせて10名の皆さんが
OCTの教育方針に興味を示してくれ、視察をしてくださいました。
RATEKOはフィンランドの建築業界で唯一のプロフェッショナル向けの研修及び教育センターです。
様々な建築関連の技術やノウハウ、資格認定、資格習得のための実技実習訓練、
その他新しい情報などを提供している学校です。
RATEKO(ラテコ) 建設産業教育センター
* http://www.rakennusteollisuus.fi/rateko/
* https://www.facebook.com/RATEKOkouluttaa/
今回の日本の教育機関視察におけるRATEKOの目的は、
日本の建築関連の技術者を育てる教育機関がどのような思想でどのような目的を持ち、
どのような手法で教育を施しているのかを知ることでした。
まずは、OCTの留学生受け入れ状況と入学基準等について説明をさせて頂きました。
フィンランドでも東欧等からの移民が多数おられるようで
OCTの留学生に対する取り組みや姿勢を興味深く聞き入ってくれ、質問が飛び交う状況となりました。
続いて、大工技能学科の取り組みについて説明と実習場の見学をし、
それと同時に日本の木造技術である継手や仕口などについて簡単に説明したところ非常に興味を示して頂きました。
さらに、日本の大工という職業の雇用形態が昨今の社会状況とミスマッチを起こしているが、
徒弟制度という文化も本物の大工を育てる上では非常に重要なシステムであるが故に
学生の思考と社会状況との乖離にはジレンマを抱えている旨を伝えた上でRATEKO側と意見交換を行いました。
いよいよ、今回の視察におけるメインである、リカレント生が在籍する
建築設計学科1年生におけるプレゼン課題の講評会の見学です。
ひと通り学生の発表を見学したあと、質疑応答と学生との交流会を行いました。
まずはOCT側よりなぜあえてプレゼン課題を設定して学生にプレゼンをしてもらうのか?
という課題主旨の説明をさせて頂きました。
プレゼン=プレゼントである。
プレゼントは相手のことを想い、考え、どのようにすれば喜んでくれるのか、
どのようにすればその先を開き展開させていくことができるのかを考えるのがプレゼンである、
その思考自体がイコール「建築」でありどんな職業にも通ずる思考であるので、敢えて入学後最初の課題として重要視していること、
さらにこの考え方がOCTの教育の軸となっていることをお伝えしました。
この建築設計学科の講評会見学はRATEKO側から非常に好評で帰国後、RATEKO校長より、
今後なんらかの交流を続けることができれば非常にありがたいという旨のメッセージを頂きました。
ご遠方からご来校頂きました誠にありがとうございました。
OCTにとっても貴重で有意義な時間となりました。