建築学科1年「施工コース」の学外研修が11月26日開催されました。
今年は『木造住宅の川上から川下まで』というテーマで、
江戸期に植林された杉人工林、原木を用材に加工する製材所、木造建物の上棟現場、完成した木造住宅と、
木造住宅生産の一連の流れを1日で見て回るという盛りだくさんの研修となりました。
開催にあたっては、本校学生を大工職や施工管理職で数多く受け入れてくれている
奈良県の住宅会社(株)イムラ井村義嗣社長に、
見学先のアレンジや当日の同行・解説等、多大な御協力を頂きました。
参加学生 建築学科1年 施工コース 18名
引率教員 左海 北山
見学先 奈良県吉野郡川上村 多古 人工林
川上村吉野材販売促進協同組合及び加工場(川上サプリ)
(株)イムラ 南登美が丘モデルハウス 上棟現場及び本社社屋
学校からマイクロバスで約2時間、
紀伊半島中央部の吉野郡川上村へ到着後、吉野森林振興協議会会長の上嶌さんより、
吉野林業の歴史や特徴についてのレクチャーを受けました。
“密植”“多間伐”“長伐期施業”がそのキーワードです。続いて江戸中期に植林された人工林に出かけました。
大型車の入れない林道をしばらく走るといきなり巨木の林立する斜面があらわれました。
ここでは川上村役場の森口さんが実物を前にした丁寧な説明をして下さいましたが、
直径2M近い切株でのお話は大変リアルに感じられたことでしょう。
昼食後、川上の原木を様々な用材に加工している「川上サプリ」の工場に向かいました。
ここでは、乾燥窯や加工機械が稼働するなか、
原木が製品になる一連の過程を、実物を前にしながら説明を受けました。
場内一杯に拡がる杉の香りが印象的でした。
続いて、川上の木材を構造材から仕上材まで多用している(株)イムラの上棟現場に向かいました。
見学日に上棟を合わせて頂いたおかげで実現した見学ですが、
軸組の仕組みや工程がよく分かったと思います。
また、機敏に走り回る現場監督や大工職の姿を見ることで、
自分の将来の仕事像がよりリアルにイメージできたのではないでしょうか。
最後に、完成した住宅の見学として、(株)イムラのモデルハウスに向かいました。
山の原木、加工場、上棟現場を経て辿り着いた完成住宅ですが、
目に見えるものだけではない、ここに到る一連の流れが感じられたら、
彼らのものを見る目も大いに養われたことでしょう。