“つながり…”
OCTでは学校全体が「産官学連携」を実践しています。
「産」「学」「官」、すなわち「産」=産業界のことで民間企業がこれにあたります。
「官」=自治体や各種団体。と、「学」=教育機関、我々OCTとが連携して社会貢献を果たしたり、
教育内容を実社会に即したよりリアルなものにする、という取り組みです。
学科ブログにも多くの産官学連携の話が登場しています。
うめきたでのプロジェクトや中津まちづくり、ロボコンもそうです。
これらを実行するにあたり、先生方だけでなく学生も積極的に主催者の方々と
事前の打ち合わせを重ね、学生主導でアイデアを出し、制作し、当日に臨む、
そういったことが日々学科ごとに行われています。
様々な機関とOCTとの“つながり”が展開されているのです。
さて先日こんなことがありました。
建築学科の技術コースでゼネコンの企業様に協力いただいて
実際の建設現場に赴き、その現場を体感するということを計画しています。
このきっかけを作ってくれたのが、現在、建築学科Ⅱ部で学んでいる学生でした。
建築学科Ⅱ部には様々な属性の方がおられ、この方は自身で建設系の会社を経営されている
女性です。会社を経営してはいるけれど、学校で専門的に建築を学んだことがなく、
資格取得も含めてあらためての学びを決意した学生です。
ある日の授業の中で彼女が携わっている現場の写真を教員に見てもらいながら、
あれやこれやと質問していました。
その写真を見ながら教員が「丁寧な仕事をされているな~。学生に見せてやりたい」
とボソっと呟いたことをきっかけに、
「それじゃぁ、私からこの現場の所長さんにお願いしてみます!」
と学生が言ってくれ、トントンと話が進み、現場見学が実現する運びとなりました。
そして先日、その企業様を訪問。
その所長さんはOCTの卒業生。今はバリバリの監督さんです。
監督さんからは、「OCTのためなら全力でお手伝いしますよ」と言っていただきました。
そして「僕は巷で行われているようなインターンシップならやらないほうがいいと思うんです。
もっとリアルな、監督の仕事とはこうだ、ということが分かるような機会にして欲しいんです。
職人さんに怒られてもいいんじゃないですか。少々なら危ない場面も経験したらいい。
そうじゃないと現場体験にならないですもん」というお言葉がありました。
まさしくOCTが考える仕事経験です。
もちろん学生たちを危ない目に遭わすことはできません。最大限の安全配慮が必要です。
でも実際の仕事に危険はつきもの。それを何らかの形で分からせたいとOCTは考えています。
卒業生でもある監督さんと同席いただいた上長の方からは、
「OCTさんには会社が一丸となって全力で支援するようにと本部から言われています。
採用云々ではなく、若手技術者が不足している中、ものづくりの魅力ややりがいを
少しでも多くの若者に知ってもらいたい。それが我々の責任でもある」と言っていただきました。
本当に嬉しかった。ありがたいお言葉でした。
素晴らしい会社だと素直に感じました。
話は長くなりましたが、テーマは“つながり”です。
OCTの学生の行動をきっかけに、学校が動き、企業が動き、
そしてその企業にはOCTの卒業生がバリバリ活躍している。
この小さな行動が会社を動かし、学校を動かしてより良い教育が実践される。
これはまさしく“つながり”の最たるものだと思います。
OCTの歴史は122年。
この歴史から生まれる“つながり”は並大抵のものではありません。
大先輩方々、現役で活躍する卒業生、卒業生が勤める会社、
こういったOCTを取り巻く人や組織が今の学生たちと“つながって”いく…
素晴らしいことです。
またブログでこの現場見学の様子が紹介されると思います。
その記事の裏側にはこういった“物語”があることを感じながら読んでいただけたら幸いです。