大工技能学科では毎年、2年生がそれまでに習得した大工技能を駆使して、ほぼ実物大の木造建築軸組みを製作します。実物大ということもあり、かなりのスペースを確保する必要があり、1つ以上キープすると実習場スペースが狭くなってしまうのが現状。昨年までは、新2年生が新たに製作する前に、仕組みの学習も兼ねて先輩が製作した軸組みを分解してスペースを作って、そしてまたそこに造るという流れでした。
しかし「せっかく造ったのに、分解して、実習に再利用し、切り刻んでなくなってしまうなんて・・・なんだか悲しい」とみんな思っていたようです。
そんな時にたまたま朝日新聞がこの軸組み製作(棟上げ)実習を記事にしてくださいました。その記事の中で、「幼稚園や保育園などの遊具として再利用できたら嬉しいですね」という想いが掲載されたところ、およそ20件の問い合わせがあり、公共性や活用性を検討した結果、四条畷市にある星子幼稚園に再建設し贈呈することになりました。
この星子幼稚園、園児はみんな裸足で園庭を駆け回ったり、淀川のフルマラソンに全員で参加したり、また富士山の登ったりと、地域でも有名な幼稚園なんです。ニュース番組の報道ステーションにもスクープされたことがあるそうです。
そんなすばらしい幼稚園に、このたび大工技能学科の学生および担当教員、大工親方、また卒業生も掛け付け、丸一日掛けて無事に設置作業を終了し、新しく園児達の遊具として生まれ変わりました。生まれ変わったといっても、形はそのまま。木造建築の軸組みと幼稚園庭をいう今までにはないユニークなマッチングが誕生しました。そしてその製作・設置作業を朝日放送が取材し、9月23日の「NEWSゆう+」という番組で放映されました。
こうして今回注目を浴びた木造軸組みですが、今年の2年生が製作した軸組みの行き先は、既に決っているようです。
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